町屋の紹介

たびたび大火に見舞われた町屋には、いろいろな防火的な工夫が見られる。うだつ、漆喰塗りの壁、銅板張りの壁などである。特に、大正2年の大火後の町屋には、黒漆喰塗りのものが多く、特徴的である。

谷尾邸谷尾邸武生では、大正2年に大火があり、北部市街地を中心に605棟が全半焼している。その後に建てられた建物は、大火の経験を踏まえて黒漆喰(くろしっくい)塗りとしたものが多い。この建物はその好例で、黒漆喰(くろしっくい)や虫籠窓(むしこまど)で構成された重厚な感じのする町屋である。 なお、この建物のある、蛭子(えびす)通りには、伝統的な景観が比較的よく残されており、建築群としての価値も高いところである。

加藤商店加藤商店江戸時代の建築と伝えられる代表的な商家である。武生でも数が少なくなった屋根うだつに、旧内田家の家紋が入れられており、格式の高さを感じさせる住宅である。なお、県立博物館に展示されている「武生の商家」のモデルとなった住宅でもある。

余川邸余川邸明治初期の住宅の姿をよく伝える貴重な建物である。下屋の下に付けられた板庇が珍しい。